【車検証の電子化】2023年1月4日から始まります!

2023年12月24日

2023年1月4日から車検証の電子化がスタートします(軽自動車は2024年1月から)。

2023年1月4日以降に新規登録や継続検査等、従来であれば紙の車検証が新しく発行される手続きを行った車両について電子車検証が発行されます。なお、4日以降には従来の車検証の発行はできなくなります。

車検証の電子化によって、これまでの自動車手続きに大きな変更があることは間違いなく、電子化に向けた対応や準備が必要となります。

なぜ電子化にする必要がある?

自動車関連の手続きでは、電子化が遅れており、未だに多くの手続きを運輸支局に出頭して行わなければいけません。

しかし、自動車ユーザーや自動車関係の事業者の皆様のさらなる利便性向上のため、自動車登録手続きのデジタル化に取り組み、整備事業者等の事業所等において車検証の有効期間を更新する仕組みを新たに導入することで、車検時の運輸支局等への出頭を不要とする制度とシステムを導入します。

車検証の電子化とは?

これまでは、車検時に車屋さん(整備事業者)が運輸支局に出頭して新しい車検証を書き換えてもらう必要がありました。

しかし、車検証の電子化により、運輸支局に出頭しないでそのまま車検証の書き換えまで行えるようになります。

電子化によって車検証はどうなる?

電子化後の車検証は、従来のA4サイズの紙の車検証から、A6サイズ相当の厚紙にICタグを貼付したものになります。

完全にペーパーレスになるわけではなく、小さい車検証になるイメージです。

車検証のICタグには何が記載される?

小さくなった車検証(券面)には、変更登録等による記載事項の変更を伴わない基礎的情報のみの記載となります。その他の車検証情報はICタグに格納されます。

車検証(券面)記載事項

自動車登録番号/車両番号
車台番号
交付年月日
使用者の氏名又は名称
車名・型式
型式
自動車の種別
長さ/幅/高さ
車体の形状
原動機の型式
燃料の種類
総排気量又は定格出力
自家用・事業用の別
用途
乗車定員/最大積載量
車両重量/車両総重量
軸重(前前・前後・後前・後後)
初度登録年月/初度検査年月
車両識別符号(車両ID)
※車両ごとに不変の番号として電子化に伴い付与

ICタグのみ記載事項

自動車検証の有効期間
所有者の氏名・住所
使用者の住所
使用の本拠の位置

ICタグの内容はどのように確認する?

ICタグの内容を確認するには、スマホなどから車検証閲覧アプリを活用して当該情報を確認することができます。

車検証閲覧アプリにより、車検証情報の確認のほか、車検証情報ファイルの出力(PDF等)や車検証情報以外の情報(リコール情報等)の確認等も可能になります。

行政書士と車検証の電子化

行政書士は、手続きを行うために『記録等事務委託』を受ける必要があります。

記録等事務委託には、継続検査手続きを行う『特定記録等事務』と、変更・移転登録手続きを行う『特定変更記録事務』があり、行政書士はその両方の事務が可能です。

特定変更記録事務の委託を受けるには、審査基準を満たし、委託を受けようとする事務の範囲を管轄する運輸市局長に申請する必要があります(軽自動車は軽自動車協会)。

審査基準(特定変更記録事務)

①適切な能力があること。
・行政書士の資格又は行政書士法人
②実施できる体制があること。
・自動車検査証への記録の適切な実施の管理
・法令及び委託に付した条件の遵守についての必要な監督
・問題が生じた場合等において運輸支局長と確実に連絡が取れる体制の構築及び適切な
措置を講ずる等の統括管理
③必要な設備を備えていること。
・記録等事務代行アプリを使用することが可能なパソコン
・自動車検査証記録事項を印刷するための機器
・自動車検査証に搭載される IC タグをかざすことにより読取及び書換が可能な機器
・インターネット接続環境
・記録等事務代行アプリの使用にあたって個人を認証するもの
④セキュリティ対策が講じられていること。
⑤施行規則第49条の21第3号に掲げる者に該当しないこと。

ナンバープレートの変更を伴わない手続きの場合、運輸支局に出向く必要がなくなるのは大きなメリットではないでしょうか。また、これによって事務所から距離のある運輸支局への代行報酬を下げることも可能になり、ユーザーにもメリットがあるかと思われます。しかし、ナンバー変更を伴う手続きの依頼が多い事務所の場合にはあまり恩恵はないかもしれません。

車検証の電子化によって、カードリーダーなどの設備の導入や新たな業務の流れなどの構築も必要となり負担が増えるかもしれません。しかし、転換期には大きなチャンスもありますので、必要な情報の収集と業務の研鑽を続ける必要があります。