【レンタカー業】自家用自動車有償貸渡業許可

2024年3月22日

自家用自動車有償貸渡業許可とは、いわゆるレンタカー業許可のことです。これから自動車を貸し出す業務を行う場合に必要となります。無許可のままレンタカー業を行うと罰則がありますので注意が必要です。

許可要件

レンタカー業の許可の要件は、以下の要件に大別されます。

許可要件(ヒト)

⑴申請者及びその役員が所定の欠格事由に該当しないこと。
⑵申請者及びその役員が、申請日前2年前以降において、自動車運送事業経営類似行為により処分を受けているものではないこと。
⑶貸渡し自動車の台数により整備管理者の選任が必要となる。

⑴申請者及びその役員が所定の欠格事由に該当しないこと。
申請者及びその役員とは、個人の場合は本人、法人の場合は役員全員です。

所定の欠格事由

ア 許可を受けようとする者が1年以上の懲役又は禁錮の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から2年を経過していない者であるとき。
※執行猶予後は2年の経過は必要ありません

イ 許可を受けようとする者が、一般旅客自動車運送事業、特定旅客自動車運送事業、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業又は自家用自動車の有償貸渡しの許可の取消しを受け、取消しの日から2年を経過していない者であるとき。

ウ 許可を受けようとする者が、一般旅客自動車運送事業、特定旅客自動車運送事業、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業又は自家用自動車の有償貸渡しの許可の取消しの処分に係る行政手続法(平成5年法律第88号)第15条の規定による通知があった日から当該処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に、事業又は貸渡しの廃止の届出をした者(当該事業又は貸渡しの廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から2年を経過していない者であるとき。

エ 許可を受けようとする者が、一般旅客自動車運送事業、特定旅客自動車運送事業、一般貨物自動車運送事業、特定貨物自動車運送事業又は自家用自動車の有償貸渡しの監査が行われた日から許可の取消しの処分に係る聴聞決定予定日までの間に、事業又は貸渡しの廃止の届出をした者(当該事業又は貸渡しの廃止について相当の理由がある者を除く。)で、当該届出の日から2年を経過していない者であるとき。

オ 許可を受けようとする者が営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者である場合において、その法定代理人が前記アからエのいずれかに該当する者であるとき。

カ 許可を受けようとする者が法人である場合において、その法人の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力を有する者を含む。以下同じ。)が前記アからオのいずれかに該当する者であるとき。

⑵申請者及びその役員が、申請日前2年前以降において、自動車運送事業経営類似行為により処分を受けているものではないこと。
自動車運送事業経営類似行為とは、白タクなどを指します。

⑶貸渡し自動車の台数により整備管理者の選任が必要となる。

整備管理者が必要になる貸渡し自動車台数

マイクロバス(乗車定員11名以上のもの):1台以上
大型トラック等(車両総重量8t以上のもの):5台以上
その他の自動車:10台以上

整備管理者になれる人

①1級、2級または3級の自動車整備士技能検定に合格した者。
②整備の管理を行おうとする自動車と同種の自動車の点検もしくは整備または整備の管理に関する2年以上の実務経験を有し、かつ、地方運輸局長が行う研修を修了した者。

許可要件(モノ)

⑴自動車に関する要件
⑵車庫に関する要件

⑴自動車に関する要件
レンタカーにすることができる自動車と、できない自動車があります。

レンタカーにできる自動車

・自家用乗用車 
→乗車定員10人以下で、貨物自動車、特殊用途自動車以外のもの。普通車、軽自動車どちらもレンタカーにすることができる。

・自家用マイクロバス(乗車定員11人以上29人以下であり、かつ、車両長 が7m以下の車両に限る。以下同じ。) 
→自家用マイクロバスの貸渡しを行う場合は、要件を満たさなければならない。

・自家用貨物自動車 

・ 特種用途自動車 
→作業車、キャンピングカーなど。

・二輪車
→125cc以下のバイクは「原動機付自転車」のレンタルには許可不要。

レンタカーにできない自動車

自家用バス(乗車定員30 人以上又は車両長が7mを超える車両に限る。)及び霊柩車。

自家用マイクロバスをレンタカーにする場合

自家用マイクロバスをレンタルする場合には、次の要件を満たす必要があります。

(1)自家用マイクロバスの貸渡しを行う者は、次の要件を満たす者に限ることとする。 また、既に自家用マイクロバスの貸渡しを行っている者がさらに自家用マイクロバスの貸渡しを行おうとする際には、原則として、その7日前までに、直近2年間の事業における自家用マイクロバスの貸渡簿の写し(貸渡簿が電磁的記録により備えられている場合は、当該電磁的記録、又は当該電磁的記録を書面に出力したものをいう。(2)において同じ。)を、当該車両の配置事務所の所在地を管轄する運輸支局長に提出することとする。

① 現在、自家用マイクロバスの貸渡しを行っていない者にあっては、他車種でのレンタカー事業について、2年以上の経営実績を有し、かつ、届出前2年間においてレンタカー事業について貸渡自動車の使用禁止以上の処分を受けていないこと。
② 既に、自家用マイクロバスの貸渡しを行っている者にあっては、届出前2年間においてレンタカー事業について貸渡自動車の使用禁止以上の処分を受けていないこと。

(2)直近2年間に(1)に基づいて自家用マイクロバスの貸渡簿の写しの提出を行っている事業者が、(1)に基づいてさらに自家用マイクロバスの貸渡簿の写しの提出を行う場合にあっては、重複する期間に係る自家用マイクロバスの貸渡簿の写しの提出を省略することができる。

中古車をレンタカーにする場合

中古車を仕入れて、レンタカーとして貸し出す場合には『古物商許可』が必要になります。新車を購入する場合などは必要ありません。

⑵車庫に関する要件
営業所から直線距離で2キロメートル以内に、全車両が駐車できる広さの車庫を確保しなければなりません。

許可要件(カネ)

⑴自賠責保険の補償額

貸渡自動車は、事故を起こした場合に備えて、十分な補償を行える自動車保険に加入していなければなりません。

自賠責保険の補償額

・対人保険 1人当り 8,000万円以上 
・対物保険 1件当り 200万円以上 
・搭乗者保険(搭乗者が補償対象となる人身傷害保険も含む。) 搭乗者1人当り 500万円以上

罰則

無許可営業は、100万円以下の罰金、当該自動車の使用禁止処分等を受けます。

「自家用自動車は、国土交通大臣の許可を受けなければ、業として有償で貸し渡してはならない。」(道路運送法第80条第2項)

必要書類

1.貸渡料金及び貸渡約款を記載した書類
2.会社登記簿謄本(個人にあっては住民票、新法人にあっては発起人名簿)
※目的にレンタカー業などの記載が必要
3.宣誓書(欠格事項)
4.事務所別車種別配置車両数一覧表
5.貸渡しの実施計画
・自動車運送事業類似行為の防止を図るための体制、計画
①事務所ごとに配置する責任者
②従業員への指導・研修の計画等 
・自動車運送事業類似行為の防止を図るための貸渡しの実施方法 
・その他貸渡しの適正化を図るための計画
①保険の加入状況・加入計画
②整備管理者(整備責任者)の配置計画等

レンタカー型カーシェアリングの場合は、別途以下の書類が必要です。
6.カーシェアリングに使用する自動車の車名及び型式
7.6.の自動車の保管場所(デポジット)の所在地、配置図
8.7.の保管場所を管理する事務所の所在地
9.IT等の活用により行う車両の貸渡し状況、整備状況等車両の状況の把握方法
10.車両、エンジンキー等の管理・貸し出し方法
11.会員規約又は契約書
12.「貸渡人を自動車の使用者として行う自家用自動車の貸渡し(レンタカー)の取扱いについて」(平成7年6月13日付け自旅第138号)2.(5)②に規定する場合のアイドリングストップ励行等エコドライブ研修・啓蒙計画
13.レンタカー型カーシェアリング(ワンウェイ方式)の実施に係る確約書
(レンタカー型カーシェアリング(ワンウェイ方式)を実施する場合に限る。)

手続きの流れ

1.運輸支局に必要書類の提出
申請先は、主たる事務所を管轄する運輸支局の輸送部門です。

2.審査
審査は約30日間です。

3.許可証の受け取り
審査が完了すると連絡がありますので、窓口にて許可証を受け取ります。

4.支払い
銀行などで登録免許税の支払いを済ませると、窓口にて証明書が交付されます。

5.証明書の受け取り、登録
窓口にて証明書を受け取り、自動車の登録を行います。

費用

・登録免許税:90,000円
・その他自動車登録手数料など

標準処理期間

約30日

変更

(1)次に掲げる事項を変更したときは、遅滞なく主たる事務所の所在地を管轄する運輸支局に届け出る必要があります。

・貸渡人の氏名又は名称及び住所 
・法人の役員 
・貸渡料金及び貸渡約款 
・貸渡しの廃止 

(2)配置事務所の名称若しくは所在地の変更(配置事務所の増設を含む。)をしようとする者は、あらかじめ、変更後の事務所の名称又は所在地を当該事務所の所在地を管轄する運輸支局長に主たる事務所に係る許可書の写し(当該運輸支局長の許可 を受けている場合を除く。)を添えて、届け出る必要があります。

更新

許可には期限がありませんので更新に必要はありません。ただし、許可証の有効期間は5年間なので、期限前に再交付申請が必要になります。


当事務所では、自家用自動車有償貸渡業の許可申請をはじめ、自動車登録や名義変更、廃車、古物商許可などレンタカー業に必要な手続きをトータルサポートいたします。
書類のやり取りのみで完結いたしますので、ご来所していただく必要もありません。
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